見る人に「イマジネーション」を与えるデザインとは?

近年、グラフィックデザインはハードウェアやソフトウエアの進歩で
複雑かつ、神秘的ともいえる表現が可能となりました。
しかし、個人的には最近「凄さ」や「驚き」はありますが、
「感動」や「心に残る」作品に出会っていないように思われます。

複雑なデザインは一時的に大きな印象を与え、人を動かす「パワー」が
あるかも知れませんが、あくまでも一時的にすぎないように思われます。

そんな現代の「デジタルデザイン」とは
あえて真逆とも言える作品を描くデザイナーがいます。
その名もオランダのデザイナー「ディック・ブルーナ」であります。

「ディック・ブルーナ」って誰?
と思われる方はたくさんいらっしゃるでしょう。
では、うさぎのキャラクター「ミッフィー」と言われれば
皆さんご存知ではないでしょうか。

「ディック・ブルーナ」の描くデザインは、単にかわいいキャラクターを
描くのではなく、色使いに特徴があります。
彼の配色は「ブルーナカラー」と呼ばれる
「赤、青、白、緑、黄色、茶色」の6色のみでデザインされています。
驚きなのが、このたった6色でスタイルを変えず
50年間世界各国で愛されてきたことです。
この配色はシンプルでかわいいキャラクター「ミッフィー」を
引き立たせるだけでなく、人の脳裏に長く残こすことができる配色
ではないかと私は思います。

最初に述べたように、近年のデザインはデジタル処理が進み、
複雑かつ現実離れしたビジュアルが横行しているように思われます。
デザインの構図を頭の中で描いている最中で一番、壁にあたるのが
レイアウトではなく配色で悩むことが多々ありませんか。
そういった場面に遭遇した時は「ディック・ブルーナ」の作品を見て
頭の中をリセットしてみてはいかがでしょうか。
何か別の発想が生まれるかもしれませんね。

また、「ディック・ブルーナ」にはすばらしい名言があります。

「デザインはシンプルであることが一番大事。
完璧であるだけでなく、できるだけシンプルを心がける。
そうすれば見る人がいっぱい想像できるのです。
これがわたしの哲学。」

「絶対に絶対に描きすぎてはいけない、複雑にしすぎてはいけない。
そして、僕の作るものはシンプルでいて、見る人にイマジネーションを
働かせるものでなくてはならない。」

私は、この2つの名言が大変好きです。
近年、デザイン環境が便利で簡要になってもデザインの原点が
「シンプル」からスタートすることを忘れてはならないのです。

(営業本部 久保 斉)

ディック・ブルーナ プロフィール———————————-
1927年オランダユトレヒト生まれの現在86才。
絵本作家でありグラフィック・デザイナーでもある。
1953年、初の絵本「りんごちゃん」(講談社刊)出版。
1955年に「ちいさなうさこちゃん」を発表、
後にミッフィーシリーズとして世界中で愛される。
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※今回のコメントで「ディック・ブルーナ」のことが気になった方は、
彼の作品を見てデザインの原点を体感してみてください。

追記:ユニクロのロゴデザインやSMAPのアートワーク等で有名な
「佐藤可士和(さとうかしわ)」というアートディレクターも
「ディック・ブルーナ」の影響を大きく受けています。




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