こんにちは(^^)
すっかり暖かくなってお出かけが楽しくなる季節ですね!
そろそろゴールデンウィークの予定が埋まってくる方も多いのではないでしょうか。
ソフトコムの近くには六角堂や御射山公園などゆっくり落ち着ける場所があるので、近くにお越しの際はぜひ立ち寄ってみてくださいね(^^)

さて、以前のソフトコムDXでイリエが活版印刷についてお話させて頂きましたが皆さん覚えておいででしょうか。
その時の記事はこちら!

活版印刷について詳しく書かれていて写真も豊富なので、まだの人はぜひ!
すでに読んだ人もせっかくなのでもう一度どうぞ!

印刷繋がりで、私はシルクスクリーン印刷の話を。

シルクスクリーン印刷って?

皆さんはシルクスクリーン印刷と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
・Tシャツや布地のバッグ、ポストカードに擦るやつ
・判子みたいに同じデザインを量産できるやつ
・網戸みたいな板に絵の具を落としてゴムベラでギュッとするやつ
・大学や専門学校のワークショップでよく見るやつ

などなど…。全て正解です!◎
シルクスクリーン印刷は網戸のようなメッシュ状の版に孔(あな)を作って、孔の空いた部分のみにインキを流して印刷をする手法です。

① 紙 ②版 ③インキの順でセットし、画像のようなゴムベラで圧をかけるように奥から手前にインキをギュッと引くと、版の絵柄が版の下にある紙に転写される仕組みになっています。

昔は版(スクリーン)に絹(シルク)を使っていたそうです。
美術の授業などで経験したよーという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私もその一人です(^^)/

写真は職人の手刷り感満載ですが、機械での印刷も出来ます。

紙や素材のセットは人間が行い印刷は機械が行う共同作業のような機械や、完全自動化で機械の設定やインキの粘度次第で家庭用プリンターのように1分間に数百枚も仕上げられる機械もあります。

ただ、布地や紙に印刷するだけがシルクスクリーンではありません。
版の孔(あな)に通るものであれば、全部シルクスクリーンで出来ます!

・バイクや車のボディなどに貼るアウトドア用品用の転写ステッカー
・重機に貼られている社名や商品名のステッカー
・某英会話教室の看板   ・自販機につけられているPOP
・高速道路などで用いられている反射板への印刷
・家電の操作パネルや電子基板への印字
・スマホの液晶保護シート  ・ネイルシールやタトゥーシール
・コスメグッズの容器への装飾  ・舞妓さんが名刺代わりとして使う千社札

他には、コインで削るスクラッチ印刷や、キラキラな箔やラメの印刷、インキの盛り上げ加工などなど(*^^*

今はオフセット印刷に生産市場がほとんど変わりましたが、昔はパチンコのスロット部分(あのくるくる回る部分)などもシルクスクリーンで印刷をしていたそうですよ!

なぜこんなにも私がシルクスクリーン印刷に詳しいのかというと、ソフトコムへ入社をする前はシルクスクリーン印刷会社にDTPオペレーター兼デザイナーとして8年ほど勤めていたからです。そう、印刷屋の中の人だったのです。

シルクスクリーン印刷を説明する時に「水と空気以外は何にでも印刷が出来る!」とよく謳っていましたが、まさにその通りで、インキや素材を変えるだけで色々なものに印刷が出来たり、付加価値をつけることが出来たりします。
園芸用品や日用品に防汚インキや抗菌インキを印刷して汚れを軽減する効果を加えたり、匂いのついた特殊なビーズカプセルを埋めこんだインキを使って印刷物に匂いを付けることが出来るほか、お風呂ポスターのように温度で色が変化するインキを使って温度が低い時と高い時でデザインが違うように見せることが出来たり。

意外と私たちの身近なところ、色々なところにシルクスクリーンの製品がいるなーと感じてもらえたら嬉しいです♪

先ほどサラッと述べた舞妓さんの名刺(千社札)ですが、在職中にデザイン担当したものが六角堂の柱にも貼られていました!
嬉しくて、写真を撮ってすぐ家族に連絡しました。笑
皆さんも六角堂へ訪れた際はぜひ探してみてくださいね(^^)

印刷屋さんのお仕事

印刷屋さんってどんなことをするの?指示通りにデータを作って機械を動かすだけ?と気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
印刷の準備をするためにデザイン部署があり、そこで入稿データのチェックなどを行っていました。
では、その準備として一体どんなことをするのかご説明しますね。

シルクスクリーン印刷はCMYKを掛け合わせて表現するフルカラー印刷よりも、お客様の指定する色ごとに調合して作ったインキで印刷をする特色印刷が多いため、使用する色数と同じ数の版が必要になります。
そこで、Illustratorを使って色ごとに入稿データを分版する作業を行います。

例えばこのソフトコムDXのロゴマーク。分版するとこんな感じ↓になります。

1版目:水色のベタ
2版目:グラデーション
(印刷時にドットの大小でグラデーションを表現することからアミ点と言ったりもします)
3版目:赤色のベタ

1版目から順に印刷を行っていくイメージです。
このように1つのデザインを分版する作業の他に、色同士が重なるところや断裁位置に対して塗り足しを作成したり、ステッカーを貼ったときに接着する素材の色や柄がステッカーから透けないように下白版を追加したり、転写シール用の糊版を作ることも重要な作業の1つでした。

過去に印刷したものが古く、お客様の手元にも元データがない場合には現存する製品をスキャンし、Illustratorでパスを引いてイチからデータを作ったことも少なくありません。
また、お客様から大事な家族(ワンちゃんやねこちゃんなど)のお写真をもらい、「この子をイラスト化して印刷したい」とご注文頂いて制作したこともあります。
なので、例えば「デザインやイメージはあるけどデータ化することが難しい…」というお悩みを持つ方はぜひ一度ソフトコムへご相談ください!
そのイメージを形に出来るかもしれません!(^^)